財産分与と慰謝料

<財産分与の意味>

婚姻中に取得した財産は、夫婦双方の協力によって築くことができたものですから、名義のいかんを問わず、それは夫婦の財産とみなされます。たとえ、夫の収入で生活し、妻が専業主婦であっても、家事労働の貢献は大きく、高い評価を与えるべきなのです。そういう意味で財産分与は夫婦それぞれの権利ともいうべきでしょう(民法768条、771条)

 

よく混乱・誤解されるのですが、財産分与と慰謝料は別ものです。ただ、計算のうえ、支払時にまとめて支払う場合もありますので、離婚原因を作った配偶者(有責配偶者)は財産分与の金額が、慰謝料部分で帳消しになることもあります。それと反対に、慰謝料込みで支払われて不当に安くなってしまうこともあります(早く離婚したいがために急いで手続をして、離婚協議書に印鑑を押してしまうと、時折こういうことになります)

 

<分与財産の内容>

分割対象財産は婚姻前から夫婦それぞれが所有していた財産や婚姻中親からもらった若しくは相続した財産である「特有財産」を除いたものです。具体的には以下のようなもa0002_003094.jpgのです。

・預貯金

・不動産

・株券・国債などの有価証券、ゴルフ、リゾートクラブなどの会員権

・配偶者が経営する会社の株式

・退職金

・年金

個々に説明をしていくとキリがありませんし、個々状況が異なりますので、詳細はお問い合わせくださいとしか言いようはありません。ただ、一度、資産の棚卸しをしてみるといいのではないでしょうか。ちなみに特有財産でない限り名義は関係ありません。

 

<交渉の基本的考え方>

この財産分与と慰謝料・養育費が片付くまでがいちばんしんどいかもしれません。揉めればすぐ調停や裁判を勧めるのが弁護士ですが、日当や交通費・印紙代などの実費は別として、調停で30万円〜50万円、裁判では40万円〜60万円というのが相場ですから(もちろん控訴したらもっとかかる)時間とおカネがある方は徹底抗戦するのもいいでしょう。

 

ネゴシエーションを有利にする最初の一歩は相手の情報を早く・正確につかむことと、こちらの最終防衛ラインを決めておくことなのですが(どこでも情報弱者は負けることになるのです)このあたりは同じ士業の中でも(悪い言い方をすれば)押しの強さと悪知恵が違いますから、最初の相談時に交渉のストーリー建てを提示してくれる方を選ぶのがいちばんいいと思います。

 

行政書士には代理交渉権はありませんが、離婚の9割が協議離婚であることを考えると、充分作戦を練って自ら交渉すればほとんどの場合にはそれでできるということなのです。余談ですが、店頭に出ている離婚関係の本はほとんど弁護士が書かれています。それを読んでおかしいと思った方はいませんか?9割が協議離婚であればページの9割、少なくとも8割はそれに割いているはずですが、審判・調停・裁判といった残り1割に相当のページ数が割かれていることを。何のためにそうなっているかは、もう言わなくてもわかりますよね。中には何かにつけ「協議が整わない時には…」とその1割のほうに持っていこうとしていると邪推したくなる本もありますからね。まあ、おカネをかけるだけあって、きれいに片付きますが、納得は保証しません。

 

<慰謝料について>

財産分与が夫婦の共有財産を分配することであるのに対して、慰謝料は離婚の原因を作った側が支払う金銭的賠償です。ですから支払う側は夫ばかりでなく妻の場合もあります。つまり、不倫・浮気・異性交遊などの不貞行為によって受けた精神的苦痛に対して支払うものです。ですから、離婚原因が性格の不一致などという場合には慰謝料請求はできませんし、お互いに離婚原因がある場合には請求できません。

 

もっとも、この精神的苦痛の原因に関して、協議離婚の場合にはなかなか話がまとまらない場合が多いのです。浮気をするのは配偶者が常に自分を侮辱したりする言動をするからだというように、話し合いがこじれてくる時があります。ですから、弁護士などはまとまらなければすぐ裁判とかいうのですが…。

 

わずか数百円万の慰謝料の交渉を依頼するだけで40万〜60万円も弁護士に払うならば、相手の浮気の証拠、言動のテープ・メモなどをとっておいて交渉しましょう。たとえ相手が弁護士を立ててきても、勝てるツールがこちらにあれば恐れることはありません。行政書士は交渉の代理人となることはできませんが、作戦を伝授することや交渉時に同席することはできますので、心配は要りません。

 

慰謝料の額ですが、婚姻期間、有責性、請求者・支払者の職業・収入などさまざまな事情を考慮して決めますが、統計をみると慰謝料の7割は400万円以下ですので、それほど大きな額を期待しない方がいいでしょう。もちろん、財産分与とは別ですから、相手の資産はしっかりチェックして取れる額の目安を決めておくことも必要でしょう。

なお、相手が婚姻していることを知った上で不倫関係になり、婚姻解消の原因を作ったということで、不倫の相手方にも損害賠償が認められる場合もあります。詳細はご相談ください。

 

ホーム協議離婚とは離婚後の住まいと生計子供の教育親権者の決定と養育費財産分与と慰謝料離婚協議書の作成

面接交渉サポートご相談の流れと費用事務所詳細プライバシーポリシーリンク

 

 

(c)All rights reserved by 山下行政書士事務所 2011